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WELCOME TO GROW 世界の食料システムを改め、すべての人に食料を

私たちが住む地球は、あと40年ほどで人口90億人を抱えると見込まれています。全ての人々が必要な食事を口にできるようにするためには、どうしたらよいのでしょうか?
今日でも、世界では約10億人が空腹に耐えながら暮らしています。しかし、飢えの理由は十分な食料がないからではなく、世界の食料システムが、不公正な仕組みになっており、また、世界で主流となっている農法が、私たちにとってなくてはならない自然資源を食いつぶし、破壊してしまっているからです。
私たち人類には、このようなやり方を改める力があります。私たちが食料を作り、消費するシステムを、もっと人間の福祉や幸せにつなげ、この星に住むすべての人々が、いつでも必要な食事をすることができるようにしていくのなのです。

解説

こわれた世界の食料システム
現在の世界の食料システムが大きな飢餓を生む背景には、様々な問題が関わっています。たとえば、食料やエネルギー価格の高騰、食料生産の伸び悩み、気候変動による天候不順や自然災害、先進国と途上国の間の不公平な貿易ルール、市場の失敗、女性と男性の間の不平等、途上国の農地を巡る大国間の奪い合いなどです。これらの問題は、相互に影響しあいながら、一部の政府と大企業が支配する世界食料システムを作り上げており、一部の人たちしか恩恵を受けられません。
私たちはこれまでの考え方を改め、一部の人たちだけではなく、みんなにとってよりよい未来を実現しなければなりません。
みんなでGROWするとき
私たちは、もっと多くの食料を、より公平で、より持続可能なやり方で作ることができます。そのために、機能不全の食料システムを支えてしまうような政策を改め、貴重な資源を守り、公平に分け合うよう、各国政府に訴えかける必要があります。
オックスファムには、GROWキャンペーンを進めるためのたくさんの計画があります。同時に、GROWを通じて、多くの方と、食料のよりよい生産や配分、ライフスタイルに関するアイデアや意見を交換したいと考えています。
ようこそGROWへ。ぜひあなたも参加してください。

気候変動

気候変動はすでに世界各地で農民たちを苦しめています。放置すれば、人類の食料生産能力そのものにとって、壊滅的な影響を及ぼしてしまいます。
温暖化によって、多くの土地では食料生産高が落ちてしまいます。アフリカのいくつかの国では、現在のレベルから半減すると言われています。また、天候不順により、農家はいつ種をまき、いつ畑を耕し、いつ収穫すればよいのかも、わからなくなってしまいます。その結果、食べるのに必要な食料を育てられなくなり、十分な収入も得られなくなります。
温暖化によって、熱波、干ばつ、洪水はより激しく、より頻繁に起こるようになります。その結果、その年の収穫は台無しになり、そこに住む人々の暮らしは何年にもわたって打撃を受けることになりかねません。
気候変動と農業の関係は一方通行ではなく、実は多くの国で行われている農法が、気候変動の原因にもなってしまっています。現在地球上に排出されている温室効果ガスの約3分の1は、農業活動によって排出されています。
気候変動を食い止め、また気候変動をもたらさない農業に切り換える必要があります。

解決策は?

各国政府は、必要な策を講じるために、なかなか重い腰を上げようとしません。
世界はまず、地球温暖化を2度未満に抑えて壊滅的な気候変動を食い止めるための、国際的な協定を結ぶ必要があります。それ以外のやり方で、破滅を回避することはできません。同時に、すでに避けることのできない変化に対しては、人々が適応して暮らしていけるよう、2009年のコペンハーゲン会議(COP15)で合意した資金をいかにして捻出するのかについても、合意しなければなりません。そして、多くの温室効果ガスを排出する大規模農業主導のやり方から、途上国の小規模農家、そして環境にやさしいエネルギーの重視に、政策と資金配分を切り替える必要があります。世界が平等に食料を育て分け合うためには、気候変動を食い止める必要があります。

農地争奪

大きな企業が貧しい国の農地に商業目的で投資をすること自体は、必ずしも悪いことではありません。しかし、そこに住む家族が立ち退きさせられたり、投資の結果食料生産が減ってしまうのであれば、その投資には非常に問題があることになります。
2008年の食料価格高騰以来、このような農地投資が激増しています。
投資家が輸入作物を育てたりバイオ燃料を生産するための場所を探したり、単純に利益だけを追い求める結果、土地に対する需要が急上昇しています。
しかし、そこで売り買いされる土地は、表面上は「未利用」で「開発されていない」とされていても、実際には貧しい人々が食料を育てるために使っているケースが多いのです。このような人々が土地から強制的に追い出されることは珍しいことではありません。補償の約束も、頻繁に破られます。しかも、そうやって購入された土地が、全く利用されないまま放置されることもあるのです。
ある推計では、過去数年の間に購入された農地の80%は、その後開発されていないことがわかりました。

解決策は?

農地争奪を食い止めることは可能です。しかし、そのためには、地球規模での行動が求められます。 各国政府は小規模農民に土地へのアクセスを保障する必要があります。特に女性農民は、農作業の多くを担いながらも、土地や作物を所有することが許されずにいることも多いため、重視しなければなりません。バイオ燃料生産の奨励も、食料を食卓からガソリンタンクに移すようなものであり、見直しを要します。 そして、農地に対する投資は、利ざやだけで決めるのではなく、社会から周縁化された人々の利害や権利を念頭に置かなければなりません。

食料価格の高騰

過去数十年間、世界の飢餓人口はゆっくりながらも減少を続けてきました。しかし、現在その数は急速に増加しており、近く10億人、つまり世界の7人に一人を突破する見込みです。
貧困家庭では、所得の8割ほどまでも食費に費やすことがあるため、食料価格が少しでも上がることによって受ける影響は甚大です。 食料価格高騰の原因 気候変動を含む様々な要因で不作に終わった年は、食料価格は上がります。栽培や肥料、輸送などで使われる燃料の価格が高騰した場合も同様です。
短期志向のバイオ燃料戦略も、食料を食卓からガソリンタンクに移してしまうため、食料供給量を下げてしまい、価格高騰を招きます。また、現在の穀物市場の機能不全により、穀物価格は実態以上のスピードで実態よりも高くまで上がってしまっています。
原因はこのように複雑でも、貧しい人々が受ける影響は、悲惨なほど単純です。それは、食事を子どもに与えるか自分で食べるかを選択しなければいけないというような形で現れます。皆が次の食事がいつ来るのかわからない状況では、コミュニティ全体が不安に陥ります。

解決策は?

食料価格の高騰は、気候変動や燃料価格の上昇によって起こるのですから、解決のためにはこれらの根本原因を解決しなければいけません。
しかし同時に、食料価格危機が起きたときに、世界が協調してその影響を抑えるための行動も求められます。価格が突然上がって、先週まで買えたものが買えなくなってしまったとしても、貧しい家庭がすぐに飢えに直面しなくて済むような緩衝策です。

小規模農業への支援

20世紀は食料増産の世紀でしたが、集約農業の力にも限界があり、生産高の伸びは落ち込んでいます。そのため今後の食料増産を考える上では、これまで無視されてきた、途上国の小規模農家の潜在能力に着目する必要があります。特に女性農民は、多くの仕事をしながらも、僅かの報酬しか受けられずにいます。
現在食料生産が落ち込んでいるのは、単位面積当たりの土地の生産量には限界があるからで、それはいくら肥料をまいても、変わりません。またこれらの肥料は、その生産の過程で多くのエネルギーを消費し、また肥料自体からも大量の硝酸塩を排出するため、気候変動の原因になります。
一方、世界に約5億人いるといわれる小規模農家は、そのような環境負荷を生じさせずに、現在も20億人の食料をまかなっています。
各国政府が小規模農家に対して大胆で十分な支援を行い、企業が適正な投資を行えば、生産量の急増を見込むことも可能です。

解決策は?

持続可能な農法(有機肥料や細流かんがいなどの技術)で小規模農家を支えれば、気候変動の暴走を起こさずに、増え続ける人口の食料需要を満たすことができます。
そのような変革は、すでに始まっています。例えばベトナムでは、過去12年の間に飢餓人口は半減していますが、そのきっかけとなったのは政府による農家支援です。ブラジルでも、政府の行動により、飢餓人口を大幅に減らすことに成功しています。
このような変革をより大きなものとする為には、途上国の農業に対する資金援助を増やさなければなりません。1984年時点で世界のODA総額の20%を占めていた農業援助は、その後、2006年にはわずか3.7%にまで落ち込んでいます。 世界の食料問題を解決するためには、私たちの農業に対する考え方を改める必要があります。