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ポスト2015アジェンダへ向けての共同提言書~人々の「土地への権利」の実現と保護に向けて~

2015.4.22

オックスファムは、貧困と食料問題に取り組む複数のNGO団体と共同で、9月の国連総会において合意が目指されるポスト2015アジェンダの交渉プロセスへ向けた提言として、土地への権利に関する報告書を発表しました。

ポスト2015アジェンダ策定にあたっては、貧困削減に加え、経済・社会・環境分野の改善による、持続可能な世界の構築を目指すことが合意されています。これを受けて、2014年には、オープン・ワーキング・グループによって、17の持続可能な開発目標(SDGs)が提案されました。オックスファムは、貧困に苦しむ人々の公平な土地の保有・利用の権利の実現が、このSDGs達成に必要不可欠だと考えています 。

昨今、食料価格の高騰やバイオ燃料によって、大規模な農地への需要が増し、途上国では、大規模な資本によって農地の取得が急増しました。それらの多くは、現地農民に対する事前の協議や、事後の補償が不十分な土地収奪ともいえるようなものでした。こうした状況で、農民の土地への権利を守ることは、喫緊の課題です。

人々の土地への権利を保護し、実現することは、以下のような効果をもたらすと考えられています。


・農業従事者に対する食料安全保障の確保

・小規模農家の生産性向上

・生態系保護に対する意識付け

・公平な社会形成

・女性の地位向上


農村部の貧しい人々の生計の50-90%は、天然資源を利用した非市場商品によって構成されています。土地への権利が確保されるということは、彼らが土地を利用することで食料を確保することを可能にすることはもちろん、管理意識の向上ひいては生産性の向上につながります。多くの女性が農業に従事している発展途上国において、女性が土地への権利を持つことは、女性の社会的地位確立の実現に向けて大きな意義をもたらします。

そして、これらの事実に基づき、同報告書は、ポスト2015アジェンダが掲げ、モニタリングすべき5つの点を挙げました。


1.地域住民と地域社会の権利

2.自由意志による、事前の十分な情報に基づく同意(FPIC)

3.女性の土地への権利

4.都市部における土地への権利

5.「土地へのアクセス」だけではなく、「土地や自然資源への権利の保証」


生産者自身が食料を手にすることができていない現状と、今後の人口増加を考慮すると、土地への権利を保護し、実現するための法的枠組みの確立を急ぐ必要があります。また、土地への権利が確保されることで、現在素案として提示されているSDGs目標全17項目のうち、12項目は大きく前進すると考えられます[1]。したがって、土地への権利の確立は、ポスト2015アジェンダのなかに、重要事項として位置づけ、組み込まれるべきです。



報告書全文(英語)
「Secure and equitable land rights in the Post-2015 Agenda -A key issue in the future we want-」
https://www.oxfam.org/sites/www.oxfam.org/files/file_attachments/land-rights-post-2015-joint-agency-briefing-140115-en_1_0.pdf



[1]主に、貧困・食料・ジェンダーに関する目標を含む目標1・2・5・11・15。提案されているSDGsについてはこちらをご覧下さい。(https://sustainabledevelopment.un.org/content/documents/1579SDGs%20Proposal.pdf )