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食卓の先にまで影響する食料価格の高騰

2013.5.24



食料価格の高騰は、食費が支出に占める割合が高い貧しい人々にとって最も深刻な影響をもたらします。そしてその影響は、食卓にとどまらないことが新たな調査によって明らかになりました。

昨年、オックスファムは、イギリスの調査機関であるIDS(Institute of Development Studies)と共同で、食料価格の高騰が都市部ならびに農村部の貧しい人々にどのような影響を与えているかを調査する4カ年の共同プロジェクトを立ち上げました。今回、その1年目の調査結果をまとめた報告書が発表されました。

調査は、グアテマラ、ケニア、ベトナムを含む世界10カ国で実施され、オックスファム・ジャパンでは、ベトナムでの調査活動を支援しました。

ベトナムの例を見てます。

コメ価格は上がっても、苦しくなるコメ農家の生活

ベトナムは、過去10年間でコメの生産量を大幅に増やし、世界第2位のコメ輸出国へと成長を遂げました。一方で、2008年の食料価格高騰以降、高水準で推移するコメ価格に相反するようにコメ農家の生活が苦しくなっているという声が現場からは聞こえてきます。これは、ベトナムのコメ生産農家の大部分を占めている小規模農家が、きちんと対価を得られるような仕組みが整っていないことが大きな原因となっています。

高いコメ価格によって誰が利益を得ているのか、食料価格高騰がもたらすコメ農家への影響とその原因を明らかにすることで、小規模農家にきちんと裨益する政策をベトナム国内で提言していくことが可能になります。

また、今回は、世界10カ国で調査を行うことで、特定の国の事例を超えて、一般的に食料価格高騰が貧困層にもたらす影響についても探ることができました。

食料価格の高騰は、貧困層の生活に幅広く影響

実際、各国での調査の結果、食料価格高騰の影響は、日々の食卓にとどまらず、家庭内暴力の増加、アルコールや薬物の乱用、農業より高い賃金を見込める高リスク分野(採掘産業など)への労働力の移行、冠婚葬祭などの費用のかかる社会的な催しの見送りなど、さまざまな形で社会に及んでいることが明らかになりました。

調査期間は残り3年、調査に基づいた政策提言の実践へ

こうした事象に対応するためのきめ細やかな政策を実施することで、食料価格高騰がもたらす、貧しい人々の生活への影響を軽減することが可能です。今回は、1年目の調査報告ということで、一次的な分析ではありますが、いくつかの重要な傾向が明らかになったと言えます。

こうした調査を通して、国際食料システムの構造を明らかにし、小規模農家に資する農業支援や投資について、さらに具体的政策提言につなげていくことを目指します。

Joint Agency Research Report (全文/英語)
SQUEEZED Life in a Time of Food Price Volatility, Year 1 Results


共同調査報告書 (要旨/日本語)
「食料価格高騰がもたらす貧困層への影響(VOL1)」


PHOTO: ケニアのジャクリーン(25)とアンソニー(25)夫妻と息子のファンタン君(3)。ジャクリーンは妊娠しており、失業中。アンソニーは、ケニア政府が運営する青少年向けの短期清掃プロジェクトを通じて得る月収の7,500シリングで家計をやりくりしている。ナイロビ、ムクル地区の自宅にて。Oxfam / Eleanor Farmer