小規模農家を支援し、 明日の持続可能な食料生産へ。
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GROWで今日の食卓に並ぶ野菜やお肉や調味料を選ぶということが、世界の問題と直接に結びついているということを知り、高くても健やかに育てられた食材が並ぶお店に行ったり、生産者の方と直接やりとりをして、顔が見えるものを選ぶことが増えてきました。
環境問題を扱うプロジェクトには多く関わったことがあるのですが、GROWで変わった理由は、理念や覚悟に加えて、丁寧に作られたものの味を知ってしまったことが大きいです。健やかでおいしい野菜をつくることに本気で夢中になっている方がつくった野菜は、そういう味がするように思うのです。
「食べる」から連想されるキーワードをみんなで挙げるブレストを仕事でしていたとき、「からだにいい食べ物は高くて手に入りにくい」という言葉が出ました。
それは裏を返すと、「安くて手に入りやすいものの中には、からだに悪いものがあるかもしれない」ということです。製造過程の苦労を減らしたい、安くして多くの人に届けたい、最初はまっすぐだったそんな気持ちが、年月を経るにつれて、どこかで歪んでしまうことが、食べ物という身近なものにも大きく反映されていると思います。わたしたちが“安くて手軽に食べられる”ことが、行き過ぎたグローバリゼーション志向や、誰かがつらい涙を流してしまう世界の不平等な雇用状況に結びついていることもあるのですね。更に、農薬などで、食べたわたしたちの体に負荷がかかり、健康が少しずつ失われていくかもしれない。そう考えると、とにかく「選択する」ということが大事なことなんだなと気付かされます。
どれを選ぶことが正解、と答えがあるわけではないのですが、答えを探しながら、自分の時間の使い方、ライフスタイルや忙しさ、収入とのバランスをとりながら、選ぶことを続けるということはできるのかな、と思うようになりました。
[ 支援するレシピの食材 ]
今回のレシピは、福島で丁寧に誠実に、土づくりから農業をされていた農家の方が震災後に工夫と実験を重ねてつくった、セシウム不検出の人参のジュースを使った蒸しケーキ。それと、エクアドルの働き手さんにちゃんとお金が届くようにフェアトレードで日本にやってきたチョコレートを使ったナッツやレーズンが入ったチョコバーです。
2品とも素材の味が濃くて、みずみずしくて、エネルギーに満ちていて、いつも手軽に手に入るものと比べ物にならないほど、本当においしかったです!素材に少しだけ手を加えたレシピなのですが、自分たちでつくったものを一口食べてみて、健やかに作られたものを健やかに食べるのがこんなに楽しいことなんだ、と気づかされました。
食べることが世界のどこかで、誠実にいいものをつくろうとしている方を支援する、そのつながりの輪が広がっていく、なんて素敵なことでしょう。南風食堂も偉そうなことは言えないのですが、食べることでの支援、まずはおいしく食べてみることから、少しずつでも続けてみたいと思っています。
アーモンド、カシューナッツ以外にも、くるみやピスタチオを入れても良いと思います。
チョコレートを湯煎で溶かしたら、熱いうちに混ぜて、成形してください。チョコレートを湯煎する時には、お湯がチョコレートに入らないように注意しましょう。ビターチョコレートを使うとカカオの風味がより楽しめます。
チョコレート・レーズンなど [Oxfamフェアトレードのページへ]
チョコレート [スローウォーターカフェのページへ(外部)]
人参をすりおろしたそのままのようなジュースなので、しっかりと人参の味がでています。
甘さ控えめなので、朝ごはんにも良いですよ。
人参のジュース [GROW人参レボリューションのページへ]
オンラインショップ[まるごとにんじんジュースのページへ(外部)]
南風食堂(なんぷうしょくどう)
活動13年目を迎える、三原寛子と小岩里佳による料理ユニット。味、食感、色、音、空間を含めたよりよい『食』の場のプロデュースを目指す。近著に『Whole Cooking』(マーブルブックス)、『100 Salad Dressing』(COOK ZAKKA BOOK)などがある。
http://www.nanpushokudo.com/